頑張っている人を応援する、障害者ととともに改善成長する人情味のある暖かい銀行系特例子会社

2014-07-07_225018

今回の視察は、三菱東京UFJ銀行の特例子会社である、エム・ユー・ビジネスパートナー㈱を訪問してきました。正直、銀行系特例子会社ってどうなんだろう?銀行の文化(システマチック、縦社会)をそのまま障害者の方に応対しても、社員(以下「特例子会社の身体及び知的の方」といいます)は幸せなのだろうか?と(少し)思いつつ会社に向かった。社内に入るやいなや元気な声で、「いらっしゃませ」、「おはようございます」が聞こえてきた。しかも、しっかりと我々を見て挨拶している「これは鍛え抜かれている」と瞬間感じました。応接室前に案内されると社長と部長が挨拶にお見えになられたので、「素晴らしいですね」と1声お掛けさせていただくと、社長いわく「挨拶は社訓の重点項目の一つです。」と笑顔で話されているのが印象的です。

当日のスケジュールは、社長より直接会社概要や取組内容を伺い、管内見学後、再度社長との質疑応答で、視察終了という内容でした。

特例子会社の業務は、主に親会社の公的調査の受託です。小生の観点(問題意識)では、特例子会社なので、会社概要、障害種別や雇用人数も気になるところですが、それ以外のソフトの部分を中心に質問させていただきたいと思いました。特に挨拶や適度な緊張感のあるスタッフの動きに着目しました。その思い中でのインタビュー開始です。

社長に就任されて何が一番大変でしたか?という問いに笑顔でお答えいただきました。社長いわく「先ずは管理職の意識を変える」ことでした。ときっぱり言われました。

その内容とは、
銀行という縦社会の中で20年~30年勤務し、組織の中での生きてきた我々は、こうしなさいと部下に言い、またそのように言われ育ってきました。そのようなことが身にしみている50代の行員が、出向や転籍で当社の管理職として在籍しています。
社員と管理職とのやり取りの中で、タテ社会の意識を変えることに一番苦労と時間を費やしていますし、まだ、道半ばであるそうです。

例えば、そのような点の一例を上げますと

回答書の担当者欄にちゃんと捺印が出来ない社員がいました。捺印したのが上肢不自由の社員でした。その社員は捺印の瞬間にどうしてもズレてしまうのです。
「どうしたら出来るのだろうか?あれこれ試してみよう。」という意識が無意識に自然に出てくることが重要です。
社員:「捺印(ズレて)し、提出。」
A管理職:「枠内への捺印が出来ていない・・・。」と気づく
A管理職:インデックスに「枠内に押してください」と記載し戻す。
社員:「何度捺印してもズレる」悩む
B管理職:「どうしたら出来るか?」と考え工夫する。
B管理職「円筒の固い包を作ってズレないような小道具を作成」

さらには、

上肢不自由な方は、紙やファイルを運ぶのに机から書類を落としてしまう。

C管理職:「Aさん特性上難しいからこの仕事は他にお願いするようにしよう」
社員:「運びたい。」と上司に伝える。
B管理職:「前カゴのようなひも付きBOXを首からかけ、持ち上げず、ずらしても書類が落ちず運べるようにしよう」と小道具を作成
社員:「これなら運べます。」と上司に伝える。

といった例のように「どうしたらできるか」を管理職と社員で考え、実施し、その実施をくりかえすことで意識付けと意識変革をしていき、徐々に無意識に「どうしたらできるか?」という思考パターンになっていただけるまで時間が必要だったようです。
今では少しずつですが、その思考パターンが出来つつあります。

また、開業一年目は、社員から管理職に対し、不平不満もありました。その内容は「すべて丸投げではないか」との訴えでした。管理職から「任せる」といわれるのはありがたい。しかし、相談しても話も聞いてくれず、丸投げで「任せる」と言ったきり、話を聞いてくれないじゃないか・・・。それは丸投げではないか?ということでした。
管理職としては、社員に自主性を持って欲しいとの思いから、ある部分自ら考えることを習得させようと思いそのような対応に出たのですが、その点の意思疎通に不十分さがあったのも事実でした。

管理職教育が重要と感じるのは、その管理職に頭から起こるのではなく、皆で「これでよいのだろうか?」と相談しつつ、自覚をもっていただくように仕向け、考えていただくこと、それができるまで、根気よく付き合うということに尽きるそうです。社員の生活面、社員への教育やモチベーションアップ、職場定着を図りつつ、何が何でも「障害者に配慮」ということではなく、どこに視点を置き、どうマネジメントするかは、「常に手探り状態で、これでよいかな?と自問自答しつつ運営しているのが実態」ですと笑顔で言われている中にも、充実感が社長の中にあり、様々なマネジメントに取り組まれていることが伝わってきました。

お言葉には、発せられませんでしたが、「銀行の特例子会社社長」ということで相当なプレッシャーもあるのではないかと思います。

一方、銀行という親会社の文化とは違い、特例子会社の独自文化で、「必要あれば生活面にも可能な限り関与する」ということを念頭にも置いているようです。特例子会社で、「生活面にも関与」ということで実施している企業は、皆無に等しいと思います。

その一例としては、
ある社員が休みがちになっていて、看護師さんが心配になり、土曜日であるにも関わらず、社長に「病院ついて行って良いですか?」と相談に来た。社長いわく、「そこまでは、家族で見るのだから行かなくても良いのでは?」と社長が言われたが看護師さんは、「次回は行かないので、行かせてください」と訴えてきて、最終的に社長も了解し同行されたそうです。看護師さんの本心は「両親の関与がなく、愛情が薄く、本人1人で病院に行くことになるので、本人がお医者さんに正確な情報を伝えられるかどうか不安」ということ、「週2~3回と休みがちで、不安も緊張もあり本人が医者に症状を伝えなれないのでは?」と考えていたようです。このようなエピソードを伺うと心が温かくなります。

当社の採用の基本的考え方として、根底に「できる人」ではなく、「頑張っている人」「親和性のある人」を重視しているとのこと。資格や技能は関係ないとのこと。

当社の業務運営はグループリーダーに任せているとのことです。管理職が入らなくても、リーダー自らグループ内の仕事の分担や段取りを指示し、悩みも聞き助け合い精神を持ち仕事をしています。
真実の意味での多様性が浸透し、明るく人間関係の良い、社長及び管理職と社員との信頼関係も構築中で、優しい助け合いの企業文化が出来つつあるのではないかと思います。

社長就任までの経緯ですが、熊本の高校を卒業後銀行に入行。多数の支店経験を重ね、支店長を4ヶ所歴任されました。「人」に興味を持ち始めたのは、支店長勤務時代に様々なことがあり、銀行最後は「人」関連の部署への移動を希望されたとのことです。その後、人事部人材開発室(行員の再就職斡旋)、行員相談室長(人権問題対応)、健康相談室長(メンタルヘルス対応)の部署を歴任、その後当社社長に就任という経歴です
銀行員としては大変珍しい経歴のように感じました。。

社長のお人柄、温かさ、一生懸命さがインタビュー中に理解でき、部下や社員にも同じように接せられているのも想像がつきますね。最後は、同じ九州出身ということで、我々も嬉しくなり、社長曰く「お互い頑張りましょう。またお待ちしております」と別れました。

同行者とは、ハードとソフトが一体となり、銀行のイメージが180度変わりましたね。素晴らしい企業ですね。と言い建物を後にしました。

ちなみに以下は、建物の写真等です。天井の空調排口は、エアコンです。その他天には空気が一か所にまとまって流れない工夫はじめ、素晴らしすぎて恐れ入りました。

ご多忙中お時間を頂き、心より感謝申し上げます。

床空調
食堂
トイレ
高座調整
駐車-1

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