障がい者高齢者等の住宅弱者支援の取り組みについての事例

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■経緯と現状
以前から私の方で「障がい者の就労安定のための住宅事情(グループホーム)の現状」を調べていた所、高齢者や母子家庭の取り組みを行っている例(今回は、高齢者)があり、これから障がい者の支援体制構築の参考になると思い、掲載させて頂きます。現状の障がい者就労支援も素晴らしいと思いますが、企業に就職して頂くことが中心であり、定着支援や生活支援は、採用や障がい者の体験実習を通じ、まだまだ行き届いていないのが就労福祉事業所や公的機関と取引させていただき気づいたところです。

掲載根拠は、障がい者もいづれ高齢化になってくことが必須で、大家の理解、特性に合わせた人員構成や支援体制、病院との連携、支援機関との連携、見守り機能、緊急対応、専門相談、権利擁護、生活支援サービス等、構築のための課題は多いものの住宅確保や提供、運営、管理のための支援が多様で複雑になると予想されるので、地域ごとに必要な支援体制を考えるきっかけになれば。と思います。

住宅弱者は、高齢者、障がい者、母子家庭、外国人等が考えられます。

現在、日本の課題で重大なのは高齢化であり、高齢化に伴い住宅確保や維持は困難になります。また、合わせて重要な課題は、核家族化による1人暮らしの人々が増加するということです。日本の総人口は減少に転じており、住宅数は今後、供給過多になることが確実視されています。一方、同時に、生活保護受給者・ひとり親世帯・高齢者・障がい者などの「住宅弱者」に対し、サービスは行き届いていない現状があります。

■福岡市の事例
福岡市社会福祉協議会担当の竹島様、吉武様にお話を伺ってきました。本事業の開始前に遡り10年前の平成15年に「高齢者民間賃貸住宅入居支援事業」を開始、その後平成23年に「高齢者住宅相談支援事業」と(独自事業)「ずーっとあんしん安らか事業」を行っていた。しかし、課題も多くあり、結果23年度1年で、実績も成約件数10件で、相談件数も200件程度であった。

▼福岡市の現状について。
高齢化率は現在の約20%から上昇を続け、平成37年には約25%、平成52年には約31%になる見込みで、特に後期高齢者の単身世帯が急増していくと予測されます。
 本市における住宅の状況は、平成25年住宅・土地統計調査によると、住宅総数は854,000戸で、居住世帯のある住宅は744,700戸です。
このうち65歳以上の世帯員のいる世帯(26.5%)や単身世帯(48.0%)の割合は年々増加傾向にあり、特に単身高齢者(10.0%)の増加が大きい。本市の特徴は、借家率(61.0%)及び共同住宅率(77.6%)が他都市と比較して非常に高く、年々、この傾向は顕著になっています。
 また、空家は104,500戸(空家率12.2%)でこのうち賃貸用の空家は78,600戸あり、住宅数の増加に伴い、空家、特に賃貸用の空家が年々増加していて、しかしながら、賃貸用の空家が増加する一方で、約6 割の民間賃貸住宅事業者が、高齢者世帯などの特定の世帯に対し何らかの入居制限を行っています。民間賃貸住宅のオーナーの中には、空家を抱え、その対応に苦慮しているにもかかわらず、入居後のトラブル等を懸念して、高齢者世帯などの入居を断っている現状があった。

 ① 事業内容
「高齢者住まい・生活支援モデル事業(住まいサポートふくおか)」について
 経済的には問題がない高齢者でも、保証人や緊急連絡先が確保できないことで民間賃貸住宅への入居を断られる場合があります。これは、緊急連絡先となる親族がいないため、保証会社の審査が通らないことや、高齢者が死亡した後の残存家財の処分を行う者がいないことなどが理由です。そのため、保証人や緊急連絡先に求められる役割を補完するサービス等を提供することで、高齢者の民間賃貸住宅への入居を支援する「高齢者住まい・生活支援モデル事業(住まいサポートふくおか)」を平成26年10月から開始したそうです。

 なお、当事業は、厚生労働省の「低所得高齢者等住まい・生活支援モデル事業」に採択されており、平成26~28年度の3 年間は国の補助金を活用することとしている。「高齢者住宅相談支援事業」と連携し、緊急連絡先や保証人が確保できない高齢者に対して、「支援団体」が実施する見守りや死後事務等の入居支援・生活支援サービスをコーディネートし、高齢者の入居に協力する「協力店」へ紹介を行い、高齢者の住替えを支援する。
 ② 利用者
 市内の民間賃貸住宅などの物件を探している65歳以上の方のみで構成される世帯等
 ③ 相談窓口
  (社福)福岡市社会福祉協議会
 ④ 事業スキーム
 事業のスキームは下記のとおり。当事業では、保証人や緊急連絡先に求められる役割を補完する見守りや緊急時対応、家財処分等のサービスを提供する「支援団体」で「プラットフォーム」を構築しています。相談窓口である福岡市社会福祉協議会(以下「市社協」という。)は、高齢者の状況に応じて必要とされる支援サービスをこの「プラットフォーム」よりコーディネートし、高齢者からサービスの提供について同意を得て、「協力店」へ入居を依頼。
 「協力店」は、市社協から提示のあった支援プランに基づき、家主に対してプラットフォームの活用による保証人や緊急連絡先の補完効果を説明し、入居に関する家主の協力を得て、高齢者に住宅を紹介。その後、高齢者は、家主との賃貸借契約を締結し、併せて「支援団体」からの支援サービス提供を受けることとなります。

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出典 「住宅 2015.11」より

▼実績
相談者の80%が高齢者(80代前半)
モデル事業になってからの制約件数は100件
相談(来所、TEL合算)件数は、400件
 *相談件数は、現モデル事業と平成23年度の2事業と比較し、ほぼ横ばいいだが、制約件数が3倍以上になっていることは、驚異的な成果ではないだろうか。

鳥取県、埼玉県、神奈川県、大阪府、神戸市、京都市、福岡市では、比較的先進的な取り組みをしている。しかし、大都市である東京が事例ないこと、地方では、全国平均に比べ空き家率が顕著なのに事例として上がっていないことは、危機感を持って取り組まなければならない課題ではないだろうか。

▼キーとなる機能役割
 通訳
 住宅と福祉の連携の総合相談
 サービス開発
 ネットワーク化

▼担当者との意見交換で印象に残ったこと
福岡市の場合は、社会福祉協議会と関連業者の10年間で、高齢者の支援を行ってきてきた経緯があります。重要なのは、上記のキーとなる役割のノウハウがあるところが行うことが大事で、機関ではない。我々の各種提供サービス名称の「プラットフォーム」は、本事業が完全ではない。地域毎で異なるはずです。社協がプラットフォームに入るケースもあります。要するに機能と役割分担を各々が認識し、共有出来ていることが重要です。

障がい者の場合は、1、大家さんの理解 2、人員体制 をクリアすることがまず大事なのではないでしょうか?とのこと、全国的にも住宅と生活と高齢者の連携はありますが、住宅と生活と障害者(支援者含め)の連携の例は無いのではないか

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