ひなりモデルを広げ農福連携に貢献するリーダー

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今週は、農業と福祉の連携に関しての記事です。

2010年4月設立、「伊藤忠テクノソリューションズ株式会社」の特例子会社として設立されました。代表取締役社長 高草志郎氏にお話を伺いました。「ひなり」の名前は、「日々成長する」「雛がすくすく成長する」などの思いが込められています。

http://www.ctc-g.co.jp/hinari/index.html

霞ヶ関と浜松に事業所があり、従業員全体で57人(うち障がいのある人46人)で、事業内容は、霞ヶ関本社ではマッサージ、オフィス美化、洗濯で、浜松事業所では、農業軽作業を行っており、障害者雇用率は、2.2%(2014年3月1日時点:CTC全体)になります。

会社設立と2010年4月 浜松市南区飯田町に浜松事業所開設事業所人数は25人、スタッフ構成は、サポートマネージャが6人、障がい者のある人が19人で、内訳として知的障がい者16人(うち重度6人)精神障がい者 3人のスタッフ構成になります。浜松事業所の障害者雇用開始年月は、 2010年6月で、仕事内容は、農業補助作業(収穫、定植、出荷調整、他)、業務委託契約(請負契約) 9軒になります。この状況を考えると徐々に増やしていったと考えられますがスタート時の設立以前から、農家さんとの関係づくりなど、数件関係性を作らなければ事業にもならないので、1年近くはかかっていると考えます。スタート時の主要取引先は、坂本ゼミでも応援させていただている京丸園さんがですが設立よる4年で、現在9軒の農家さんとの関係性と構築かつ継続できているのは、マネジメント力によるものと感じました。設立と同時に霞ヶ関と浜松で事業所を展開し、しかも、浜松で、農作業で障害者雇用を実施している点がひなりさんの特徴ではないでしょうか?

具体的に見て行きましょう。

ひなりさんの仕事は、農作業請負(業務委託契約)、サポートマネージャ随行(現場責任者)、品質管理、衛生管理、安全管理、業務効率化/生産性の向上および構築になります。

農作業請負に伴う業務管理および遂行内容として、作業遂行(管理者がメンバーに作業指示)と作業予定(作業日管理・変更の対応)を計画しスケジュール表を作成します。それにもとづき、主に障害者スタッフ(以下「当事者」という)とサポートマネージャとともに現場に行き、品質管理として、主に商品としてのB級品との区別をします。合わせて作業品質の維持と向上を行いながら、食品事故防止(ノロ、O―157等の感染防止)、健康管理(症状チェック、検便)、服装チェック、髪の毛チェックの衛生管理と安全管理(当事者が機械に触れない。農薬等の作業はしない)を行います。当事者とは数週間期間作業の様子を見ながら、作業スピードアップ(指導・育成)と作業手順書作成及び作業実績集計報告書を記入し、生産性向上及び業務効率化に努めていらっしゃいます。具体的には、サポートマネージャが作業手順書を記載しますが主に農園勤務作業でのトライアル期間で確認した作業内容のまとめ、当事者が特に注意する点を注意事項としての記述、農園に報告書を提出し修正等を行う中で、農家さんが気づかされる内容もあり、相互に業務効率化が図れ、合わせて良好な関係を構築することができます。農園さんにもわかりやすく見やすい収穫量データのグラフ化と報告を行っています。収穫作業の実績データを集計し月末締めに農園に請求分の内訳として提出します。作業内容によってはグラフ化の効果がある場合が多く、農園さんにも「一緒にやって良かった」と言っていただけるようになり、このグラグ化の例では、2種類の作物の3年間データ比較し、次の年度の予測にも情報提供(使用)しています。事業展開としては、農家さんとの関係構築とひなりなりの付加価値を付けていきたいとのことです。

改めて、農園さんのメリットを考えてみましょう。
・サポートマネージャに作業指示(当事者への指示は不要)
・生産性に見合った支払いで良い
・コスト管理が容易
・労働力確保の安定
・労働力のスケジュール管理が容易 (ひなりさんサポートマネージャに依頼)

農業事業ですと一般的なイメージとして、設備投資がかかる、販売先が不明で商品の買い取り先はどうするのか?等、課題はありますが、ひなりさんの事業モデルは、「三方良し」の関係が成り立っていて、かつ、当事者の特性を理解し、適材適所に配置し、農園さんに出向いて、一緒に仕事をし、農園さんの人手不足を解消する素晴らしいモデルであるし、当事者の方への賃金も最賃以上の月給制となっていて、更に感心した素晴らしい点であります。

肝心のひなりさんの当事者メンバーが行う主な農作業は以下のとおりです。
 ◆水耕栽培
 ・ちんげん菜の定植、収穫、パック詰め(周年)
 ◆ハウス栽培(土耕)
・アスパラガスの収穫(夏)
・ハウス片付け(夏)
・トマトの収穫(秋~初夏)
 ◆露地物の作業
 ・ブロッコリー、キャベツ等の定植・収穫(冬)
 ・さつま芋の蔓さし(夏)収穫(冬)
 ◆米作り関連作業
 ・苗箱並べ(春)
 ・苗箱洗い
 ◆果物の収穫
 ・みかん(冬)
 ・ブルーベリー(夏)
◆その他親会社向け
・ノベルティー販売用袋詰め

以上は、農園さんからすれば、収穫の時に補助で手伝っていただけるのは大変ありがたいと思います。しかも、特に印象に残った作業の中では、お茶垣根の中のつるとりです。これは、機械化できないし、茶摘みを機械でするのにつるが邪魔し、お茶の葉以外の異物になるので、悩んでいる農家さんが多いとのことです。田舎育ちの兼農業高校卒業の小生、すぐに理解できました。お茶の垣根が痛いし、手が届かない・・・。少し手を伸ばすと擦り傷がついてしまう・・・。はっきり言ってやりたくない仕事です。その中で、当事者の方は、文句言わず、怪我がないよう見守り一緒に作業をしつつ、黙々と作業をしてくださる・・・。なんと貴重な人材なのでしょう。

話は更に深まりつつ、という展開でもあったのですけれども時間も圧していたので、最後にお聞きしたかったのは、当事者をサポートする人材の件です。その当事者をサポートするのがひなりさん流、サポートマネージャの役割ですが福祉経験者にこだわってなく、企業経験は重要と考えているそうです。サポートマネージャは、環境づくりやモチベーションアップ含め当事者が継続して働くためにどういう支援が必要か?また、真剣に考えているか?次に何をすれば良いのか?を考えられる人で、一緒に働きながらいかに働く環境を改善していくことに取り組めることができるかがポイントで、企業文化が構築される上でも大事なことになります。

サポートマネージャの役割を掲載させていただきます。
◆ 採用にあたって
 ・トライアル実習
   1か月間の実習受入れ
   特性の把握と意思疎通と上達度合いを見る
 ・採用時のポイント
   働きたいと思う気持ちが強い
   自立して勤務ができる(通勤・独立性)
   仕事に対する向上心がある(スキルアップ)
   コミュニケーションが取れる(意思疎通)
   報告・連絡・質問ができる
   一定時間仕事が継続できる(体力・精神力)
   社員・社会人として会社・社会のルールを守れる

◆障がい者の教育研修
 ・会社を知る
   他の事業(東京・浜松)を知る
   就業規則・基本マナーを守る(出退勤、挨拶、服装)
 ・モチベーションアップ
   大事な仕事を担当していることを教える
   仕事全体と自分が担当しているところを教える
   新しい仕事へチャレンジする気持ちを大切にする
   思いやりとチームワーク意識を育てる
   スボーツ等のリクレーションにより楽しみを増やす
 ・知識と技術力アップを図る
  業務知識の向上(書籍、作業練習)

 ◆障がい者の指導と育成支援
 ・管理指導
  より良い作業ができるように(品質管理)
  より早く作業ができるように(業務管理)
  安全に仕事ができるように(安全管理)
  上司の指示を守れるように(業務管理)
  質問・報告ができるように(業務管理)
 ・育成支援
  作業の全体を教え、簡単なことから開始
  1日の目標や量的目標を教える
  急がせない、暇にならない、チャレンジできる作業
  作業結果や成果を報告
  自分がやったことを自分で説明
  問題や困ったことが起きたら、報告・連絡・相談
  精神不安時に面談(精神障がい者)
  
◆メンバーが働くときの5つの心得
1. 笑顔で元気のある職場にします
2. お客様や周囲の人から感謝されるようにします
3. 仕事が上達できるようにチャレンジします
4. みんなと一緒に協力し合います
5 会社のルールは必ず守り、社会人としてふさわしい行動をとります

サポートマネージャの役割と心得を見てきましたが普遍的なことをいかにコツコツとやっていくことが重要かを改めて教えていただいたインタビューでした。

高草社長には、ご多忙中お時間いただきこの場を借りて心よりお礼申し上げます。

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