障がい者雇用は全社的取組。副題:合理的配慮と善管注意義務違反を考えてみたい。

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■本ブログの要点
2016(平成28)年4月1日から、障害者雇用促進法で施行される「合理的配慮」なかなか慣れない言葉です。障害を理由とする差別の禁止を一般原則とする「障害者の権利に関する条約」が考え方の根源であります。そもそもは、国連て批准された概念で、本質は、障がい者の人権擁護ではあるが、企業側からすれば、多様性のある障がい者関わり方の方法や取り組みではないかと考えます。障がい者も自立していくために働くことが必要で、そのために企業動向も知っておく必要があると思います。

■結論
健常者も障がい者も同様で、一人一人違うのだから1人1人対応しなければならないのです。「企業も障がい者もお互い様」精神で、企業イメージ向上に伴う優秀な人材が殺到する可能性も含む、意義があり、実行効果もあること。

■提案の背景
ダイバシティマネジメントもグローバル企業では、盛んに言われています。外国人、母子家庭、父子家庭、1人子、産後の女性、障がい者等様々な社員が在籍しているかと思います。企業の論理では、効率よく運営するために、比較的同一性的な事に仕組みや枠組みとして取り組んできた経緯があります。しかし、近年、高度成長期はとっくに終わり、IT技術も高度化して、画期的な新技術はある程度出尽くした感があり、「質」を求められ、しかもその「質」を継続する方向で、社会が求めている気がするのです。その中で、企業としては、新しい技術開発も必要ですが、ある種、成熟化した社会で必要なものは何かを考えた時に「内からのイノベーション」ではないかと考えることに至りました。

では、なぜそう考えるか、法的観点と業務観点の面から列記させていただきます。

■法的観点
合理的配慮:谷川珠子氏(福島大学准教授)の投稿では、
http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2014/05/pdf/015-026.pdf
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障害者雇用促進法の役割として,従来からの①雇用率制度と②障害者雇用促進制度に加え,③合理的配慮の提供義務を含む障害者差別禁止が新たに備わったこと,および,①雇用率制度(雇用義務)の対象として精神障害者が追加されたことから,それぞれの制度の対象となる障害者の範囲が複雑になり,それらを正しく理解する必要が生じている。
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取締役の善管注意義務:弁護士 高橋弘泰氏の投稿では、
http://j-net21.smrj.go.jp/well/law/column/2_5.html
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善管注意義務の中身をもう少し具体的に言うと、「会社経営に携わる者として、その会社の規模、業種等のもとで通常期待される程度の注意義務」であり、単なる従業員とは異なり、取締役としての職務や地位に値するだけの高度な注意力が要求されます。

取締役の善管注意義務が問われるのは、不作為、つまり会社としてなすべきことを怠ったことによる場合の方がむしろ多いといえます。
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会社として一般的に業務として行っていることや考え方に共通している部分は無いか?また、体制を取っている、取ることではないか?と上記の文章を比較してみると「注意深く見て、健常者同様にできることは行い、障がい特性には配慮し、会社としてなすべきことを行うこと、取り組むこと」と解釈できないでしょうか?

担当(全社?)レベルでは、合理的配慮を怠っているとコンプライアンス違反で、取締役レベルでは、善管注意義務違反とも読み取れます。

直近の事例では、今後、2015年12月施行のストレスチェック義務化で、発生すると思われる精神疾患の疑いのある方の対応はどうするのでしょうか?原因の特定が会社にあるのか、本人にあるのかがわかりづらいですが、ストレスチェック義務化で、企業により高度な注意力や会社としてなすべきことを要求されることは間違いないようです。
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■業務観点
障がい者雇用の動機は、まずは、雇用率達成が目標となるが、結果的にイノベーションになっていた。障がい者雇用で、公的雑誌等取り上げられる企業は、企業文化が良く「雰囲気良いな」と感じる企業が99%です。障がい者(社会的弱者)を助け、健常者と障がい者共に成長し、自立しようと頑張る企業では、目標が1ケになり、創意工夫やコミュニケーション頻度も多くなり、部署を超え、社員同士の交流が活発になり、結果として生産性も上がっている企業が多々あるのです。当社で延べ230社(障がい者施設、障がい者雇用企業、特例子会社等)視察し、経営者や実務担当者に直接話しを伺ったときに実感したです。障がい者雇用(採用から定着まで)をきっかけに業務を洗い出し、配慮し、工夫する、上手くなるには、早く作業を遂行して頂くには、どうするか?を社員である支援者や担当部署で考えるのです。それが時間が経つに連れて、良さを理解して頂き、仕事が循環していく・・・。

社会的に要求(社会的責任(CSR)でもある)されていることをいつ実行するかは、企業方針によりますが、
1、業界でいち早く行いたい
2、社員のために職場環境づくりを行い、生産性を向上したい
3、ダイバシティマネジメント実行に伴うイメージや生産性を向上したい企業

は、真摯に迅速に取り組むことは他社との違い、他社に先駆けて行うことの効果(広報効果含め)は、企業イメージ向上に伴う優秀な人材が殺到する可能性も含む、意義のあることではないでしょうか。

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