精神障害者のサポートは精神障害者が良い(事例含め)

精神障害者のサポートは精神

今週は、ある大手外食企業(以下「本企業」という)さん(法定雇用率は2%達成)にインタビューに行って来ました。

本企業の障害者雇用は、平成26年3月末現在、精神15名知的2名の合計17名直接雇用で、障害者雇用をはじめたのが平成25年1月、採用も障害者雇用をはじめたと同時にリーダー合わせ4名同時採用でした。本企業の最大の特徴かつ素晴らしい取組は、現場リーダーが精神当事者であることです。当事者の方が当事者をサポートするいわゆる「ピアサポート」を実施されています。人事部内容の組織内の役割は、「清掃チーム」で、当初は、1店舗だけでしたが、現在は2店舗清掃を実施していて、2014年になり、2月より本社事務作業として清掃チームから2名を選出し、幅広く活躍されています。
本企業さんの印象を端的にお伝えしますと鳥肌が立つぐらいに感動しました。

スピード感、取組内容、「エッ」と驚く内容でした。どうやってここまでの体制を創られたか?ポイントは、採用、定着、当事者スタッフのやる気をどう上げ、どう維持するか?また、本社の支援体制は、どうしているのか?また、どう関わっているのかな?と非常に興味が湧いてきまして話しは更に具体的に深くなって行きます。いろいろなことを早くお聞きしたい衝動を抑えるのに必死でした。

まずは、障害者の採用経緯からインタヒューをはじめさせて頂きました。リーダー等採用前は、どこに所属をされていたのかとお申しますと、某国立病院の就労プログラムを受けていまして、ある方と一緒に見学に来られ、今採用していただいた会社の方とお会いしたのが最初のご縁(平成24年11月末)だそうで、その後、何度もプログラムの担当者、会社側、当事者と何度も意見交換をして、H25.1.16より、リーダー含め4名が採用されました。

採用されてからの落ち着くまでには、4名の中で、1名ほど不安定な時期が3か月つづかれたそうです。(⇒)本社に認められなければならない、当事者スタッフのフォロー、現場の指揮監督、当事者相談に乗る等、様々なプレッシャーを感じていたに違いありあせん。どうしたら、職場がよくなるのか?を考え、リーダーなりに調べた結果、障害者職業生活相談員取得、第2号ジョブコーチの資格を取得することを目指されました。

■障害者職業生活相談員(元人事の経営企画部長、リーダーと2名)、第2号ジョブコーチの資格を取得と定着について

 リーダーの少し横顔を。障害者雇用担当は、初めてのことだそうですが、病状が発症する前には、人事総務、購買等の職務に従事なさっていた(人事経験はある)ものの障害者雇用となると少し様子が違います。しかし、自分が当事者ということで、障害者職業生活相談員を受講するチャンスがありました。相談員として講義内容(精神障害者のことを)を知ることによって、精神の方の支援に活かせるかもしれない、自らの経験が役立つかもしれないと思い視野が広がったとのことです。ジョブコーチのことを調べ、更に深く知りたいと思うようになって、ジョブコーチを受講(JC-NET)なさいました。

資格取得も平成25年7月に障害者職業生活相談員、平成25年9月第2号ジョブコーチを取得されました。この機動力、行動力を敬服いたします。リーダー本人は、至って謙虚に「受講の際、周囲の協力を頂いた」、「会社が認めてくれた」とおっしゃっています。リーダー本人のおっしゃる語り口が本当にソフトで重厚な感じで、信頼感、安心感があるのです。

資格取得後、取り組む内容は、1点「どうしたら定着出来るか?」ということで、それを目標にし、取り組まれできた結果、過去1年3ケ月間で、一名しか辞めてないそうです。そのことからも取り組む内容は、一定の成果があったことは伺えます。

 この体制の成功要因は、初期メンバー(リーダー含め)4人同じ移行プログラムを受けていたこと。リーダーが精神当事者であり、精神当事者と上手く関わっていたことが大きいと察します。

 成功内容を考えてみましょう。退職の方の退職の仕方です。その方が辞めようとしているとき、本人とは、支援機関や本人とも何度(個別、3社、2者)も話し、納得の上で、退職(作業所に戻られました)しました。通常は、退職して、会社の貸与品は、荷物を送ってくるか、そのまま、返さない人も多くいると思います。その退職者は、退職の日に現場まで挨拶にいらっしゃったそうです。作業着を洗濯して返され、前向きな有効的な辞め方ではないかと感じました。一般社員でも、メールで退職挨拶をする。いきなり手紙で送り付けて来るなど、非常識な対応をする方も多い中、素晴らしい行動です。また、挨拶に来た一つの理由は、当事者同士のコミュニケーションが良いからです。当事者リーダーの力量や配慮の良さを感じました。

取り組み内容は、上記のコミュニケーションだけではありません。仕事と病気としっかりと向き合う機会、すなわち個人面談です。

■個人面談
面談の方針は、採用されて半年は、決めた日数出勤をクリアするところからはじめ、最終的に自ら考え、行動できる人材になっていただくことです。それを意識した個人面談(仕事面のみで生活面は、支援機関へ)を行っています。具体的には、「自ら言えるようにしようね」、「それは、病状から?それとも仕事方法から来ること?人間関係から来ることですか?」と本人に考えて頂くような質問をし、本人の体調や成長度合いに応じて、自主性を促すようにコミュニケーションを取られているようです。我々、一般社員では、精神の当事者の方の行動や仕事ぶりを見ていて、良くも悪くもその原因が病状から?それとも仕事方法から来ることなのか?がわかりづらいです。しかし、リーダーが精神の当事者であるため、より同じ目線で、一緒に見て、考えていることも定着、やる気の持続がうまく行っているのではないかと考えます。

また、定性目標だけではなく、定量目標もするため、3ケ月に1回、面談及び評価を実施しています。評価方法は、15項目あり評価者は、リーダーと本社人事が行います。3階層になっていて、リーダー、サブリーダー、スタッフです。相対評価もありますが、絶対評価(頑張った人には、手厚く評価)の評価割合が増えているのですが、障害者雇用はじめ1年3ケ月経ち本社にも認められつつあり、ようやく制度として浸透しはじめているところです。

■本社との体制
現場と本社の距離を埋めるために、携帯とPCを貸与頂いています。また、毎週金曜日に欠かさず人事責任者と面談し、要望及び提案しつつ情報共有しています。そうすると要望や本社の意向も理解でき、本社との距離感が無いと感じるようになりました。

■目指すところ
本社との意思疎通ができつつ、かつ、自己表現は出来てはじめてきたが、雇用人数も増えて来たので、方向性を確認する場所、全体共有が必要になって来ました。人が増えれば、いろいろあるものです。

「改善の意志を皆の前で行ってほしい。」これがリーダーの願いです。

もしかしたら、私(リーダー)が一時期体調不良で休むこともある可能性もあるため、本社がより仕組み化する、リーダーに続く、次の責任者を育成することを気に掛けてくれるていることも私(リーダー)の動機づけになります。私(リーダー)の課題は、次のステップとしては、次の当事者リーダーをどう確保し、どう育てるか?です。もともと現場清掃に入っていた清掃業者との契約が終了し、「清掃」を我々のみの仕事として、切替て頂いたため、本社にも仕事振りが認められたのを感じていますし、数を増やしていく方針になっていると思うので、本社、支援機関等の周囲の協力を得ながら、自分と上手く付き合いながら、進めて行きたいと思います。~本人談

少し長くなりましたが、リーダーの謙虚さから自信と責任感に溢れたインタビューは、私も聞く態度、話し方は、声のトーンなど、大変勉強になりました。

ご紹介、ご縁を頂いた沖野さん、お時間頂いたリーダー、心より御礼申し上げます。

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