企業側の復職支援の考え方と支援側の関わりについて

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実は、今回とある大手企業様にお声掛けを頂き、勤務中にうつ病や発達障害と診断を受けた方の処遇や対応方法について打合せをさせていただきました。

<会社の対応についての感想>
・企業は、どうしても障害に目が行きがちで、本人の性格にはあまり目が向かない。印象を感じました。しかし、人事として対応している人数が多くなると1人当たりに対応できる数の限界もある。ということです。その場で判断して行かないといけないので、時間を1人に費やしたくても出来ない事情があります。

・「発達障害」という特性がうつ病等の精神疾患とは別にあり、本人の心理的な状況がわかりにくく、精神疾患と重複しているいわゆる2次疾患になりますが、障害の専門家ではない企業の担当者側に障害を理解して欲しいお願いするのは、いささか違うような気がしています。最小限(当社ではこの2ケと思いますが)の言葉がけ「信頼関係、困ったときの声掛け」を深く聞いてくだされば。とお願いするのが良いのではないか?ここでは、企業が障害のことを全く理解しないというわけではなく、考える比率を10%ぐらいにしてはいかがですか?ということです。

*本人は、散々同じことを数人以上に話して、結構うんざりしているのではないかな?と思ってしまいます。ですので、連携している機関同士は、出来る限り情報共有して行くことが重要です。個人情報の観点で、公的運営の施設は、情報を共有してくれないところもあると聞いたことがあります。私個人的には、本人の同意が得られれば、悪用は無いし、関係者は共有するのがお互いがwin-winの関係になれます。

<本人との話についての感想>
・第一印象は、普通の人で、多少緊張もあり、30分は目線を合わせては頂け無かったが、それ以降は、目を見て話してくれたのが一番うれしいし、目を合わせられる頃には、エンジンがかかってきたようで、笑顔も増えてきました。

・小生はますは聞くことに徹しました。本人は、いたって真面目で、休職中でも資格(簿記3級等)を取得し、本人は努力している。休職中に個人で独立しているキャリアカウンセラーにも相談した。
・無理もしてきた。
・発達障害の診断は、気が楽になったそうです。
・役にたちたい。頼られたい気持ちが強い。
・勉強したことを「教える」という形でのアウトプットも興味を持っている。
・ある店舗に配属中の時に、ある社内での役割の副支部長、地域の子供向けのボランティアも行っており、入り、社会貢献も行っていた。

・デイケア通院中では、手帳習得の話もあったが未取得で進められたそうです。ここで1点悩ましいことがあります。3者~4者のお互いの立場の違いからどのような観点で最適なアドバイスや関わりが可能かどうかということです。

まとめますと、、、
会社のスタンスとしては、やはり、手帳は、推進(佐藤が個人の意見として代弁(事前打合せ無し))する方向で考えています。合理的配慮を踏まえてはいると思っていますが、その理由は、
1.クローズでは、一般社員と同様の処遇ですので、万が一再度発生してしまった場合、サポートする人事スタッフが少なく、フォローが容易ではない。
2.クローズでは、再度休職者する(規定に当たれば、退職の可能性(そこは本人が考えていない))のは、企業・本人にとって良くない。
3.オープンにしないので、職場スタッフより変なやつ?と思われてしまい、本人の芽を潰す可能性がある。
4.公的制度や企業内転籍や異動等、周囲に告知するのもあり、支援しやすい。
5.手帳取得を通所支援機関で受容させて欲しいという要望

を会話の流れで読み取り、誰にも残念なお気持ちにさせず、全体関係者にとって最適な発言をしなければならないのです。

<当社の役割>
企業の代弁(個人的には、**と思うけど)、本人への相談に乗ること、双方の望む最適な形にできる限り調整することです。

支援者のなかで代表的なのは、ジョブコーチですね。
ジョブコーチさんを活用する話は、企業様より良く伺います。しかし、手前味噌で恐縮ですが、当社のように、企業側で直接障害者雇用を実施、また、精神の通所福祉事業所や障害者雇用を実施している企業に180社視察に行き、事例を豊富に蓄積しています。地域や福祉業界の話、企業業績予想の話、企業対応の話をしっかりと理解して、採用・定着を維持できているジョブコーチさんは少ないと思います。

ジョブコーチさんの制度は大変素晴らしいのですけれども、ジョブコーチとして外部企業の支援をする場合に制度的な谷間(企業が望んでいる方向性に少し距離がある)があり、企業は谷間に困っているところである感じています。点線内はジョブコーチの内容をウィキペディアから参照して皆で考えてみようと思います。
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障害者の雇用の促進等に関する法律による「職場適応援助者助成金制度」を利用しジョブコーチとして活動をする際には、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の行う第1号職場適応援助者養成研修もしくは第2号職場適応援助者養成研修やJC-NET(ジョブコーチネットワーク)や特定非営利活動法人大阪障害者雇用支援ネットワークの行うジョブコーチ (ジョブ・メイト)養成研修(職場適応援助者養成研修)を修了する事が必須となる。
職場適応援助者が行う支援には主に下記のものがある。
1)障害者本人に対する支援
人間関係、職場内コミュニケーション(挨拶、報告、職場内マナー等)
基本的労働習慣(継続勤務、規則の遵守、生活リズムの構築等)
職務遂行(職務内容の理解、作業遂行力の向上、作業態度の改善)
通勤等に係る支援
2)雇用主に対する支援
障害に係る知識(障害特性の理解、障害に配慮した対応方法、医療機関との連携方法等)
職務内容の設定(作業内容、工程、補助具等の設定等)
職務遂行に係る指導方法(指示や見本の提示方法、作業ミスの改善等)
従業員との関わり方(指示・注意の仕方、障害の知識に係る社内啓発の方策等)等に係る支援
3)家族に対する支援
本人の職業生活を支えるための助言
※支援回数や時間を徐々に減らし、ジョブコーチ主体の支援から事業主主体の支援に移行。支援終了後もフォローアップを行う。 ※期間は、障害者の状況により、期間を区切り、それぞれ目標を立てて支援を行う。標準的には2から4ヶ月である。
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以上がジョブコーチが制度的内容です。いかがですか?表紙のハンドブックでは、1行しか掲載されていないですが、深く掘り下げていくとジョブコーチ含め「障害者雇用」として、関わることで、関係性が増えていくのです。障害者雇用の大変さでもあるのですが、色々な方と関われるので、勉強になることが多いのです。これが障害者雇用の良さでもあります。

企業側の立場、本人の立場や病歴・経緯・家族との関係等をジョブコーチの制度や役割をある程度理解して、関わっている人皆と協力して進めていくと、良い結果が得られるのではないかな?と思います。しかし、企業活動ですので、しっかりと収益を残していかなければならないのであります。あちら立たずこちら立たずの関係です。そう、どうバランスを取って行き、継続経営に取り組んでいくかは、存続している限り続きます・・・。

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