障がい者雇用に携わる立場の方々や地域を理解することの重要性

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昨日平成28年5月13日より、第12回「中小企業及び大企業の経理事務知識及び実務の習得」の障がい者向け職業訓練(委託訓練)が始まりました。今回も様々な立場の方が参加なさっています。今回も改めて感じるのは、業務に特化する就労支援が必要ということです。中長期的に雇用する、働くにあたり、当事者の方も「職人」的スキルが必要であることは、間違いないのですが、現場では、職人的動きの当事者が活躍している例はありますが、事務系ではまだまだ少なく、精神の当事者の方の事務志望が増加しているものの「実際の帳票に触れる機会」、「事務職含めた経理の仕事の働き方」に触れる機会、「他部署とのどういう役割で関わるか」つまり、「仕事に慣れる」こと「人間関係でのやりとりに慣れる」ということがその仕事ごとに必要で、それをある程度触れる機会があれば、入社後、仕事をスムーズに行えるのではないかと思おうのです。では、それを回避するために何が必要か・・・。それは、まず、関わる方々の立場をよく理解するところからではないかと思い、以下に私見ですが、簡単にまとめてみました。

【障がい者も障がい者の立場がある】
地域社会で活躍するため、自立していく上で、「生活を整える」場所、「自信をつける」場所、「社会を知る」場所が知的、精神、発達障がい者は、極端に少ない。

私見ですがモチベーションも以下の傾向にあるように思います。

■健常者                         
・社会に慣れてくると感謝の心を忘れがちで、色々な生き方を考える。
・仕事や社会にも慣れ3年1区切りで、キャリア形成を考え、転職される可能性   
・役職者は、管理業務(特に部下指導)も増加  

■障がい者
・不安に苛まれ、どうなるか解らない状況、一度、仕事ができない経験やつらさを乗り越え仕事ができているため感謝の心を常時持っている
・無理ない範囲で任され、症状も安定。しっかりとした仕事行う
・勤務時間及び業務範囲内で仕事の迅速化。結果生産性向上

「働く」ことで得られるソーシャル・スキルや信頼関係は、中長期的に関わっていけば障害者が上回っている事例(佐藤の視察している会社での例や佐藤のインタビューより)が多い。

【支援者も支援者の立場がある】
■支援者も各々の支援の考えがある。
■就労支援のために完全に企業の立場を経験し、理解しつつ、実行している支援者もいるがそうでない支援者もいる。
■就労移行支援の制度は、前提として一生に1回しか利用できないことになっている。
■今の自分たちの置かれている制度や状況を理解して行動している。
■精神障がい者採用に積極的で定着の良い企業に積極的に支援する傾向になる。
→障がい者総合支援法に基づく移行支援事業所の制度と慣習。
■公金での主要な収入。 柔軟性や迅速さに不自由さがある。

【企業も企業の立場がある】
■経営戦略と企業の社会的責任(CSR)
 ▼過度の負担を回避 → 助け合い・お互い様精神
 
 ▼対話をする
 Ⅰ職場の環境    職場での悩みや不安
 Ⅱ健康       睡眠の状態、食事、運動
 Ⅲ人間関係     上司、同僚、取引先、乗車中の出来事等

■理解しずらい(精神)ので本人状況を継続的に直接確認する時間や機会が必要
 当事者との関わりの時間が面接や支援機関の情報のみでは、不安要素が取り除かれず、雇用(終身前提)に慎重にならざるを得ない。また、継続的に直接確認する時間は必要だが、助成制度や企業での生産性を求められる状況の中でどう対策したら良いか・・・。

■コンプライアンス(法令順守)
▼安全配慮義務とは 
 労働安全衛生法、障がい者雇用促進法、労働契約法の中での義務違反⇒民事損がい賠償請求の対象
▼安全配慮の履行判断
 予見と回避
 →リスクを予見できたかどうか
 →リスク回避のための具体的な措置を講じたか
  ⇒部下の体調が悪い
   ・話を聴く、通院を勧める、休ませる等
  ⇒部下の残業が多い
   ・残業時間を適正に抑えた、業務配分の見直し等

▼行政からの指針
 →法定雇用率の未達成の場合の罰金制度

■戦略的なリスクマネジメント
▼労災
 →労災請求数の増加(精神障がい請求件数の増加)
 
▼民事訴訟
 →企業に厳しい判決
  ⇒時間外労働と過労死の認定基準
   ・1ヶ月前:100時間、又は、6ヵ月間:平均80時間

▼パワー・ハラスメント
→同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為
 ⇒暴行、傷がい(身体的な攻撃)
 ⇒強迫、名誉棄損、侮辱、ひどい暴言(精神的な攻撃)
 ⇒隔離、仲間外し、無視(人間関係からの切り離し)
 ⇒業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨がい(過大な要求)
 ⇒業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を  与えない(過小な要求)
 ⇒私的なことに過度に立ち入ること(個の侵がい)

▼セクシュアル・ハラスメント対策
→職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否したり抵抗したりすることによって解雇、降格、減給などの不利益を受けることや、性的な言動が行われることで職場の現場が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に重大な悪影響が生じること

⇒対価型セクシュアル・ハラスメント
 ・職務上の地位を利用し性的な関係を強要し、それを拒否した人に対し減給や降格などの不利益を負わせる行為
 (例1)事業主が性的な関係を要求したが拒否されたので解雇する
 (例2)職場内での性的な発言し対し講義をしたものを配置転換する

⇒環境型セクシュアル・ハラスメント
 ・性的な関係を要求しないものの職場内での性的な言動により働く人達を不快にさせ、職場環境を損なう行為
 (例1)恋愛経験を執拗に尋ねる
 (例2)特に用もないのに執拗にメールを送る
 (例3)私生活に関する噂などを意図的に流す。

【障がい者雇用の地域事情や企業事情】
■都心部
 →企業数が地方に比べ多いため、障がい者は採用で企業を選択しやすい。
  *東京23区では、大会社が多数あり、身体障がい者を良い条件(30万円超もある)を提示し、ホボ身体障がい者の求職者が無い。
 →公的支援も多いが「連携」を行うことで、企業も当事者もどうして良いか解らないケースがある。

■支援機関とのつきあい方
→中小企業へは、そもそも安心して預けられるか?という観点のハローワーク、福祉事業所、市の障がい福祉課、病院、クリニック、特別支援学校の支援機関(全てでは無いが)との関係づくりに時間は必要。

■どの種別の障がい者雇用を行うのか?どう考え取り組むのか?
→業務の切り出し(清掃補助、伝票整理や集計等、営業事務)や、担当者選定、受入体制やその工夫、採用人数を健常者同様計画に織り込むと良い。

いかがでしょうか?戦力として勤務して頂くために行うことは、障がい者だからということではなく、全社的な取り組みあることが気づかれている方も多いと思います。是非一般の採用活動やCSR活動でも取り組める内容は、いくつかあると思います。
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深く掘り下げるとまだまだたくさんあるとは思いますが、文字数にも制限があるので、このあたりで、一旦ペンを止め、また、別の機会に考えてみたいと思います。

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