公的機関の精神障がい者定着研究レポを参考に、どういう支援が良いか考えてみたい。

雇用推移270601現在

別途グラフのように年々障がい者雇用数が増えれば、支援者数も増やしていくことは必須ですが、予算を見る限りでは、公的機関の支援者数は予算が付いているものの、民間機関への支援者割合を増やす政策も良いのではないかな?と個人的には思います。この話題は、別の機会に触れてみたいと思います。

精神障がい者の雇用及び定着につき、実習や実雇用並びに支援機関との交流の中で、感じていることがあります。以下2ケではないでしょうか?

■退職原因で高い要因
1、会社の人間関係
2、給与

退職原因で高い要因について少し深く考えてみたいと思います。
1、会社の人間関係は、企業規模、業種、職種、男女比、現場環境、地域、採用経緯、企業方針、企業の障がい者雇用経験、組織文化によって大きく変わると思います。といいますのも入ってから困るのは、どの人に何をどこまで相談できるか?ということに行き着くようです。

先日の交流会では、現職当事者の方が相談されていましたが当事者に関わる方は、
1、同僚
2、上司
3、支援機関
になります。

そこで、個人的な内容を相談するにあたり、
1、同僚でしたら、企業規模、業種、職種、男女比、地域、採用経緯での統一基準はありません。といいますかできません。当事者の方との人間関係が出来ている前提とできていないのでは、大きく異なりますし、周囲の同僚もどのように関わって良いかが解らないのが本音だと思います。ですので、まずは、「自分はこういう人で、ここが今まで、こう困っていた」と言ったほうが周りも助けようという気もあり、楽にもなります。しかし、一方で、企業文化が利益主義、成果主義で、会社の雰囲気が殺伐としている、同僚が心地よく働いていない場合は、相談できる雰囲気でもないでしょう・・・。
 

2、上司でしたら、どう対応するか?会社の方針で、関わらないようにする企業もあれば、積極的に関わり、本人が満足及び納得するまで見守ることを行う企業様々です。傾向としては、大企業の場合は、個人的なことは、関わらず、中堅中小企業の場合は、深く関わることが多いように思います。

3、支援機関でしたら、支援機関での支援中では、実際の仕事ではないケースが多いので、責任感が違うこと、リアルな職場ではないので、緊張感や人間関係及び週30~40時間の勤務に慣れるまでの対応方法をケースを踏まえ、伝えにくいこと、創意工夫できることの重要性、積極的に質問することや聞くことの重要性を伝えられること、昼休みの過ごし方、指示を受けるタイミング、質問のタイミング等の計り方が体験できる機会が少ない。

こういったことから、様々な企業で実習をするのが効果的なのですけれども、企業も負担(特に中堅企業中小企業では)はあるので、受け入れの際の助成金を拡充し、障がい者も慣れる、企業も慣れることが定着支援の重要なキーワードです。

少子高齢化で、予算も多く配分されていかない傾向の中、様々な機関や行政(法律や制度)、民間が複雑に絡んでいて、障がい者就労分野に関しては、施策や制度及び取り組みが障がい者のためになっているか?税金は上手に活用されているか?企業の意見も反映されているか?などの観点が必要で、「そこが感じられない、反映されていない」とならないよう段取りや取り組みを行っていきたいものです。

以下URLより、職場定着の共通要因(6項目)がまとめてあります。傾向を理解するには良いと思います。しかし、具体的(事例)ではなく、環境不確実性要素(企業規模、業種、職種、男女比、現場環境、地域、採用経緯、企業方針、企業障がい者雇用経験、企業業績、組織文化)によって大きく変わるので、結果的には、下記6項目と視察や勉強会等での詳細事例を、考慮して、各企業ごとに良い例を試行錯誤繰返し、職場定着化(定着率向上)を図ることが一番の良くて近道と感じます。

http://www.nivr.jeed.or.jp/download/houkoku/houkoku117_summary.pdf
 ①後遺障害及び残遺症状のセルフマネジメント
 後遺障害及び残遺症状に対するセルフマネジメントの習得支援については、精神科医療機関スタッフによる関与が認められるが、リハビリテーション機能を有していない精神科医療機関を利用している定着者に対しては、職リハ分野の就労支援スタッフや企業担当者が連携・協働して、主に後遺障害のセルフマネジメントスキルの習得支援にあたっている。

 ②無理をさせない雇用管理方針の継続
 活動エネルギーの放出を極力、抑制することを意図した、無理をさせない雇用管理方針(就業時間の延長や職域拡大等、定着者に対する要求水準を引き上げない、いわば自制的な雇用管理方針)を継続させている企業が8事例中、5事例に見られる。

 ③現状維持志向の労働観に対する理解と承認
 無理をさせない雇用管理方針を継続させている企業の定着者は、就業時間の延長や職域拡大等よりも現状を安定的に維持していくことを志向しており、当該企業においては定着者のこうした現状維持志向の労働観を、障がい者雇用管理の基本方針として理解・承認している。

 ④中長期的なキャリアアップを指向した雇用管理方針
 ③で示した企業とは対照的に、就業時間の延長や職域拡大等、定着者のキャリアアップを指向した雇用管理方針を有している企業が8事例中、3事例に見られる。これらの企業においては、「無理をさせない雇用管理方針」を有する企業と比較すると職場定着プロセスにおいて紆余曲折のエピソードに直面する機会が多く、企業担当者が課題に丁寧に対処している。

 ⑤ポジティブフィードバックの実践
 望ましい作業行動やその結果に関するポジティブフィードバックのみならず、定着者に対する企業側の暖かい受け入れ姿勢や休職明けの職場復帰の勧奨、職場内における定着者の存在や役割の有意味性に関するフィードバックがなされている。

 ⑥職務とのマッチング
 就労支援担当者と企業担当者が職場定着者の職務適応過程に関する情報交換を、特に就職後の初期段階において集中的に行っている。

8 本研究により得られた知見
 量的分析における3年以上職場定着する要因については、「適切なマッチングやフォローアップがある程度行われていること」(「適応指導」の変数)や、「企業側の配慮がある程度あること」(「求人種類」の変数)、長期定着の要因としては「集中的な支援や継続的なフォローアップ」(「ジョブコーチ支援」の変数)等となっている。また、質的分析の結果から見られる職場定着要因としては、「後遺障害及び残遺症状のセルフマネジメント」、「無理をさせない雇用管理方針の継続」、「現状維持志向の労働観に対する理解と承認」、「中長期的なキャリアアップを指向した雇用管理方針」、「ポジティブフィードバックの実践」、「職務とのマッチング」が見出されたところである。
 こうした知見は、精神障がい者の就労問題に関する従来知見を追認するものであり、本研究によって新しい知見が発掘されたわけではないが、精神障がい者の職場定着を促進していくための基本的要件について分析的な整理ができた。
 今後、1年未満の離職が6割近くにも及ぶ現状の改善には繋げるためには、精神障害を有する求職者に対して、ニーズを適切に把握した上での職業相談を展開すると共に、就職後におけるハローワーク担当者や就労支援機関担当者によるフォローアップを、一層充実させていく必要があるものと思われる。
 加えて、受け入れ後においては、質的分析において整理された配慮事項が、企業の雇用管理方針に一定程度反映されることが不可欠と言えるため、精神障がい者を雇用した実績がない企業に対しては、精神障がい者雇用にかかる従来知見の周知を引き続き図ると共に、精神障がい者の雇用管理ノウハウが既に蓄積されている企業に対しては、キャリアアップと職場定着を両立させている事例に関する詳細情報を収集し、キャリアアップの具体的方策について整理・検討していくことが、精神障がい者雇用の次の発展的ステージに繋がる、有効な取り組みになるものと思われる。後者の取り組みに関しては、今後の調査研究に委ねることとしたい。

9 研究成果の活用方法
 ハローワーク等就労支援機関及び精神科医療機関支援担当者、受け入れ先企業雇用管理担当者が、精神障がい者の職場定着支援に関する具体的な方策や留意事項等を確認する際の基礎資料として活用することが期待される。

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