定着支援ではなく愛着支援

地域生活定着支援

先般、埼玉県地域生活定着支援センター長木内様と意見交換させて頂きました。

木内様の所属は、社会福祉法人 親愛会
http://www.sinaikai.or.jp/teichaku.html です。
地域生活定着支援センター実績は、平成22年5月10日開所以降、6年で164名の支援、矯正施設を出所した132名のうち残念ながら、再度戻った方は6名で、再入率5%で、この数値は、驚異的です。ちなみに
「11年版犯罪白書 少年院出所後、25歳までに4割が再犯」の記事。と比較するとその凄さが解ります。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0903L_R11C11A1000000/

mtstsc

木内様との意見交換の中で「人とはなんだろう?」という話から、人間の本質を良くご存知で人を大切にしているという意味で、伊那食品工業の塚越会長は大変素晴らしい方ですね。というお話を頂戴し、坂本ゼミで3大必須視察先の1ケです。とのことで多いに盛り上がりました。福祉業界を長年経験され、しかも、普段接している方々との関わりを考えた時に「人とはなんだろう?」とうことに悩みなやまれ立ち戻ったのが「愛情」とおっしゃっていました。当たり前のことですが人間は、愛情を持ってどれだけできるかということに尽きるとおっしゃっていたことが印象的でした。伊那食品工業社員さんと矯正施設(刑務所または少年院など)の出所予定者の「人」は変わらないということでもあり、大切に関われば、変わること伸びることを示唆いると思います。

そして、意見交換の続きで彼らは、
・育った環境で生きづらさをかかえている
・安全基地(ここが安心だよという「居場所」)が無かった
ことが一番大きいともおっしゃっていました。

幼少期、青年期に罪を犯してしまった背景には、どういったことが考えられるだろうか?多忙な現代人で両親働き出ていること、インターネット高度化での1人で遊ぶこと、部活行ってないと結果1人で過ごす、かつ、人間関係も両親、先生、学校となる。

私が育った時期や地域では、外で遊ぶ、知人家族の仕事を手伝う。ことなど、今思えば、日中余り家にいなかった記憶が蘇ります。技術革新が進み素晴らしい世の中になってきたが、反面、驚く事件も多い。事件と時代背景は、関連が無いとは思いますが、最近のネットゲームを行ったり見たりしましたが、リアルで怖い。私が怖いと感じたのは、ゲームにはまる(長時間で現実とゲーム世界が麻痺する)と、そうしたいと思うようになることです。人とかかわり、子供時代にじゃれあったり、けんかしたりするケースがありますが今は、先生や教育委員会も親からのクレームを恐れて、正直お客様扱いの様相があります。ダメなものはダメとはっきり言いづらい世の中でもあるような気がします。また、私個人的には、現代人はネットと現実のバランスが崩れていて、そのバランスをリカバリー出来る楽しみや遊びや親の教育が少ない気がします。

アウトドアで釣りをするとか、実際に釣った魚をさばいたり、焼いたりして食べてみる。とか、そういった体験が必要なのではないかと思います。

実は、私は、地方の農業高校の食品化学科を出ているのですが、当時授業で、鶏をと殺し、血抜きし、煮て羽を取り、一般的にスーパーで売っている、モモ、ムネ、ササミ、手羽もと、手羽先、心臓、レバー、砂肝、セセリなどに処理し、分けたことがあります。

よくマグロも捨てるところは、無いと良く言いますね。

便利すぎて、スーパーに並ぶまでの経過や命を頂いていることを誰かが伝え、その過程を見学すれば、ここまで経過するまでに何人もの人の手があるということも同時に知ることができます。そうすると、基本的な生活「衣食住」の食部分については、全く違う見方考え方になるのではないかと思います。以前テレビで魚をおろせますか?との問に出来ない方が60%近くいたり、魚の切り身がそのまま魚だと言った人がいたのにも驚きました。

昔の方は、「食べ物を粗末にしては行けない。」といわれることが良く理解できます。実際に私も鳥のと殺を体験してから、これまで食べ残したことは無いです。それだけ「食」に関して、人の良心を取り戻せる、かつ、感謝の気持ちを良い機会なのかもしれません。

生活を整える、ということは、できる限り、家族で食べる、食事に手間を掛けるということなのかもしれません。忙しい中での助け合いということに尽きるのでしょう。

今回は、「はっ」としたことがとても多かった意見交換でした。

以下、木内様がある購読誌に投稿された文章の抜粋です。支援の仕方、関わり方を再度確認、認識、振り返る良い機会かと思います。
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必要な支援とは何なのでしょう。つい私たちは、目の前の問題を解決しようと支援しますが期待する結果は得られず焦燥感を覚えることも少なくありません。センターが支援した人たちの多くは、育児環境や育成環境(客体やいじめ、幼少期に親と離別するなど)による後天的な障がい「生きづらさ」が見られます。この身に付いてしまった「生きづらさ」は、その人の行き方を決めてしまうほどの影響があり、犯罪を誘発させたと言えるかもしれません。この「生きづらさ」とは、「不安定な愛着」によるものです。必要な支援とは、「不安定な愛着」に対する支援だと考えます。精神科医・岡田尊司氏は、著書「回避性愛着障害」の中で、安全基地のマジックとして、多くの人が失敗するのは、問題自体に目を奪われ、そちらを何とかしようと血眼になるあまり、愛着はますます傷つき、ぎくしゃくして、結果的に問題がいっそうこじれる。安全基地が確保されると愛着も安定化し始める。すると放っておいても、問題になっていた症状や行動は減っていく。また、安全基地とは、安心感を回復してくれる存在で、どんな時であれ「大丈夫だよ」と言ってくれる存在である。共感的な応答が安心感を与える。また、求めてもいないのに一方的に押し付けられたり、おせっかいな口出しをしたりすれば、安全感や主体性を損なってしまう。と記しています。
出典:更生保護さいたま198号より

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