発達傾向(障がい者)のある大学生の就労支援について考えてみる

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今週は、当社に私立大学で、カウンセリングを行いながら、就労支援されている団体とご縁を頂き(ご縁を頂いたのは、いつも大変お世話になっておりますイイトコサガシの冠地代表です。)ました。そこで改めて発達傾向(障がい者)のある大学生の就労支援の何が課題かを考えてみたいと思います。一般の学生も一部当てはまるので、企業(人事の面接)採用の際、以下の傾向の方が多くある方は、より深い配慮が必要になります。

■学生の課題
発達傾向(障がい者)があっても高校までは顕在化することは、少ないようですが大学に入って(想像するに2次障害の可能性)から、鬱っぽい症状が出て休みの間に引きこもり、退学するケースがあります。
例えば、高校まで、部活を行っていない場合、生活環境範囲が自宅、学校、先生、昔からの友人との付き合い。と、かなり限定されていて、ストレスフリーに近い状況で過ごしていく方が多いと思います。
しかし、大学生活は、地方から出てくる場合、1人暮らし、各種手続き、通学、授業、友人付き合い、先生との関係づくり等なにもかも初めてで、極度のストレスが「のしかかって」来て、(早い人で5月)~(夏休み中8月)には、鬱々して、休み中に引きこもってしまう・・・。

あるマンモス校では、10名程度は、毎年いらっしゃるようなことも聞きます。

大学内における発達傾向(障がい者)の方の大学生の悩みを具体的に見ていきましょう。

①計画を立てる
・スケジュール管理が苦手
・履修登録が苦手
・期限内にレポートや論文が終わらない
・計画を立てることが苦手
・優先順位を付けることが苦手

②社会について
・「働くこと」に対するイメージが出来にくい
・アルバイトなど「働くこと」に対する経験の少なさ
・自分の得意不得意について理解が出来にくい
・「好きな事」「やりたいこと」への固執

③進路・仕事
・仕事の経験不足やこだわりによる選択幅の少なさ
・得意科目の強化
・将来を見据えた資格取得
・就職後のつまづき

④私生活
・私生活の不安
・食生活の偏り
・炊事洗濯が苦手
・掃除・片付けが苦手

⑤コミュニケーション
・パーソナル・スペースが近い(適切な距離感)
・友達が少ない
・人の話しを信じやすい
・新聞などのキャッチセールスや勧誘が断れない
・ルールが分からない

⑥経験値の少なさ
・興味のあることしかしない
・目的以外の場所に行かない
・他者との交流が少ない

■一方企業では
企業で卒業した大学生を採用し研修で改善できると思われることは、①~⑥は、一般常識として、「できている」と考え、企業理念や企業の立ち位置や経営戦略を説明し、チームワークを重視した企業独自の研修を行っているところが多く、発達傾向(障がい者)の方とは、当然に(企業は、活躍して頂く、求める人材像も明確である会社も多く、特性とは)真逆な内容であることが多いように感じます。

JASSO統計資料で、発達傾向(障がい者)学生が10年前と比べ倍近く増えているので、「就労支援、就労支援」と力を入れている方々も多いが企業側の立場からすると生活面の支援は、企業で指導するのは、なかなか出来ない(大学である程度身に着けてくると想定している)行わないのが現状で、どちらかというと良い人(人柄、明るさ、性格、協調性、表情の豊かな人)を採用し、OJTで仕事を教えていく慣習であるので、求められるのは、協調性や道徳的なことをしっかり在学中に教育して欲しいとも企業の本音もあるように思います。大学も縦割りすぎるし、キャリアセンターも就職率を上げることに躍起になっているのもよく分かるのですが・・・。

■双方の現状や課題を見て何をすべきか
・企業見学の機会をより多く設ける
 →論より証拠で、当社で行った見学会で、発達障がい大学生の方が実際に働いているところを見て企業で働くことを多少なり理解することができた。
・得意な職種を見つけ、その職種を行いその職種に特化した実践訓練が必要
・その中で、コミュニケーションやチームで行うことが社会人として必要なことを感じることが必要
・企業で障害者雇用を実践している方に直接大学生向けに講話をして頂く機会を多く設ける。
・自分たちが行った訓練や取組を多くの方々に発表会という形式等を用いて、発表する機会を多く設ける。

いかがでしょうか?

でも肝心なのは、本人が「発達傾向(障がい者)」であることを自己受容することが最優先です。自己受容かつ、働く体験をより多くできる機会を得られれば、自覚をもちつつ、自信もついた行動が少しづつできるようになります。この当たりのことをポイントに支援や訓練を行っていくとより定着率も上がり、本人の心象も良くなるし、企業が欲しい人材の候補となるのでしょう。

大学の発達傾向(障がい者)の就労支援では、富山大学が修学支援含めた、就労支援では、大学で日本No.1ではないかと思います。その理由は以下のとおりです。
・北陸という地域に所在するにも関わらず、名前を聞かないことがないし、企業数も少ないなかで、企業に喜ばれる人材を輩出している。
・国立大学で、大学職員(嘱託や非常勤含)が企業に直接出向き、就労すると良い事や気を付けることを行っている。通常は、職員自らおこなうことが極めて少ない。
・大学生の発達傾向の方が出始め(問題視して取り組むこと含)の頃、10数年前から、実行していて、今は、ノウハウも蓄積され、全国の大学から視察にくるようになった。

就労移行支援事業所等も採用方法はありますが、経験が少ないだけに、配慮事項と仕事マッチングが出来れば、1年後には、戦力になっている社員に変貌している可能性が限りなく高くなります。
富山大学保健管理センター准教授・アクセシビリティ・コミュニケーション支援室長 西村優紀美様の 文献と支援イメージ図を参考までに掲載させていただきます。
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http://www3.u-toyama.ac.jp/health/hokekanNo65.pdf

そして、健常者と比較した場合、発達傾向(障がい者)何かメリットかというと、仕事に対し、1、真摯に取り組む 2、賃金パフォーマンスが良い 3、社会貢献で企業イメージが向上する
ことであり、一番の成功事例は、外部から企業文化が変わり、優しい雰囲気がその企業に入った瞬間感じること外部から伝えて頂けることです。

いかがでしょうか?

最初は、発達傾向(障がい者)の方の採用や就労は「大変、面倒」に感じることが多いですが、発達傾向(障がい者)の方の雇用定着が可能であれば、健常者含めどんな方も辞めず、職場環境が改善され、結果的に長期的に採用コストや関与時間も抑制され、生産性が向上することの視点を深く認識できれば、必ず道は開けると思います。

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