社員の幸せ及び休職時コストと復職をどう考えるか

260214

資料作成のため検索していたら、

独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構
障害者職業総合センター

うつ病を中心としたメンタルヘルス不全による休職者の職場復帰支援の実際と課題に関する文献研究
http://www.nivr.jeed.or.jp/download/shiryou/shiryou53.pdf

を見つけました。その中で気になった記事を考えてみたいと思います。

企業は、復職に関し、まだ試行錯誤の状態、かつ、医療現場で行う。とと考えているのが本音ではないだろうか?
しかし、以下の記事を読んで頂き、「明日はわが身」となったら、また、統計上うつ病をはじめとした精神疾患者が増加しているので自分のこととしても考えないといけない時代に入っていると考えて良いのではないだろうか?

うつ病をはじめとした精神疾患者はじめ、病気の方は、様々な背景(家庭環境、職場環境、病気にかかっている期間、育って来た環境、過去の体験、性別、経済環境等)があり、多様であるため、個別の対応になるということです。近年の増加傾向を企業としては、しっかり向き合わないといけないのではないかととも強く感じます。かといって、企業だけでは、負担も大きいとも感じます。しかし、
本URLの中でも「課題」として結論づけていますが、デイケアのみの機能だけでも限界があるので、企業との包括的かつ総合的な支援が必要なのでしょう。

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近年、職場復帰支援を行ってもなお難しさの残る課題について様々な指摘がでてきている。島(2008)が、「人が成長し社会性を身につけていく過程では、困難な事態を克服していくことが必要であると思われるが、そうした問題解決能力が未発達な事例が多い」と指摘している
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この1文が気になりました。この問題解決能力というのは、社会で言えば、まさに働くことでしか体験できる場所が無いのではないかと思います。問題を問題と捉えていなければ意味はない。と言われればそうなんです。と答えるしかないのですが・・・。

一方で、「職場復帰を望みながらもそれに結びつかない労働者が増加している」、「趣味中心の生活では行動に全く支障がなく、気分症状は否定するが、強い不安焦燥感や多彩な身体症状を訴え、それを理由に復職を渋る群」とも本文内にあります。いったいどういうことでしょうか?

その要因としては
①年齢が40 歳以上、②女性、③配偶者がいない、④単身生活者、⑤罹病期間が長い、⑥利用前休職期間の合計が長い

であり、

特徴としては、
1.病状と休職期間が長く、貯蓄無しや生活困窮者でなければ復職しようとしない。
2.休職後急速に気分は良くなり、趣味を楽しむ。
3.復職に向けた具体的な動きや考えがあると強い不安感や焦燥感、身体症状を覚え、面談時に訴え、それを理由に復職の延期を申し出ようとする。復職には熱心と思える場合もあるが良く観察する必要がある。
4.会社あるいは家庭環境のせいで、自らはうつ病になった、つまり、被害者であると主張し、対象を非難するような発言を繰り返す。
5.非難する一方で解雇されることは恐れ、転職もほのめかすが実際に就職活動をすることは稀で、いつとは明言しないが復職する意思は表明し続ける。
6. 高学歴及び職業有資格者が多く、能力不足、職業適性が問題で不適応になったわけではない。

を有すそうです。

この課題をどこでどう解決するかですが、小生としては、企業がうつ予防のEAPやGLTD(団体長期障害所得補償保険)だけではなく、多少コストを負担しても、「包括的かつ総合的な支援」を行うべきではないかと感じます。
予防対策や保険でのカバーも重要ですが、うつ病をはじめとした精神疾患者になってしまった場合の対応が企業のCSR観点からも、取組む企業は、あります。

それは、以下のように休職してしまった場合、CSR観点も重要ですが、負担コストが200%になるということです。また、休職者の復職対応を行う事で、職場環境の改善を行い、働きやすい職場環境づくり、すなわちライフワークバランスにもつながると考えています。

㈱保健同人社様、㈱フェアワーク・ソリューションズ様 コスト試算サイトを参考に負担コスト作成してみました。

■通常通りの勤務を継続した場合のコスト
(1) 731.6万円(下記合計 A~C(直接コストのみ))
 ▼直接コスト
 A. 給与500万円
 
 B.交通費、福利厚生費(社宅の管理・運営費やレクリエーション費用など企業が任意に支出)の法定外福利費、Off-JT(⇔OJT=On the Job Training)といった教育訓練費で150万円
  *年収(賞与額無し)÷12×試算期間

 C. 法定内・法定外福利費81.6万円
  *法定内福利費は月給(年収÷15)の15%、法定外福利費は4.8%

▼間接コスト
 D. 対象者無しのためコスト:0万円

 E. 産業医のコスト:72万円
 *150人規模の例:法定訪問月額6万円×12ヶ月

■休職を継続した場合のコスト 
(2) 1,448.8万円(下記合計 E~J(直接コストのみ))
▼直接コスト
F 休職前の3ヶ月(有給消化含)は月給のみ満額支給:125万円
*月給(年収÷12)×3

G 休職中の月手当:333.3万円
  *(500万円/12ケ月(月給41.6万円)の2/3=27.7万円)×休職期間12ヶ月

H 法定内・法定外福利費として:94万円
  *法定内福利費は月給の14%、法定外福利費は4.8%

I 同僚の残業代:191.3万円(残業単価3,188円×月50H×12ヶ月)
  *時間単価が休職者本人と同額の同僚1名のみが残業する、として想定残業時間月50Hより算出

▼間接コスト
K 産業医のコスト:240万円
  *150人規模の例:月1回4時間(面談、面談後の人事担当者打合せ、復職判定委員会立会、)月額14万円×12ヶ月+法定訪問月額6万円×12ヶ月

L 休職期間中とリハビリ勤務中は健保組合から傷病手当金を支給:154.4万円
  *月給×0.66×休職月数(最大18ヶ月)  

M リハビリ勤務中の3ヶ月は、勤務時間に応じて月給の3割・5割・8割を支給:66.6万円(年収÷12×(0.3+0.5+0.8))
  *リハビリ勤務中の支給有無は組合により異なりますがある場合

N 就職に伴うその他コスト
・休職した従業員が担当している事業の売上減
・休職した従業員が担当している業務の遅延による損害
・残業により必要となる職場の光熱費
・休職した従業員に対応するための人事担当者の労力(人件費)
・代替従業員を雇うための求人広告費・人材会社への委託費用
・代替従業員を雇うための人事担当者の労力(人件費)

厚生労働省の「労働者健康状態調査」によると労働者の60%は、「強いストレス」がある そうで、社員の健康管理が労働生産性向上の1役を担っているのは、事実のようです。

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